【ワキフェチとは~ワキフェチ学序説~】ワキスキー博士の特別講義
ワキスキー博士の紹介
トコズリ太郎
本日はワキスキー博士にワキフェチについて教えてもらうために来ていただきました。よろしくお願いします。
お呼びいただきありがとうございます。本日はよろしくお願いします。
まずは簡単にワキスキー博士のご紹介を。
プロフィール
ワキスキー博士
- エロビアン大学性科学部教授
- 日本ワキフェチ協会顧問
- 日本ワキフェチ学会理事長
ブルースとイチゴ大福をこよなく愛す。
プロフィール
ワキスキー博士
- エロビアン大学性科学部教授
- 日本ワキフェチ協会顧問
- 日本ワキフェチ学会理事長
ブルースとイチゴ大福をこよなく愛す。
イチゴ大福がお好きなんですね。
お餅のふわっとした食感をベースにほのかな優しい甘みのアンコと甘い香りのイチゴが不思議に調和した妙なる味がたまりませんね。
噛むとイチゴの果汁がほとばしり出てきます。嬉しい不意打ちといいましょうか。そもそも・・・
あ、イチゴ大福の講義はそこらへんで笑
ついつい熱くなってしまいましたね。
さっそくワキフェチについての講義をよろしくお願いします。
ワキ・腋・脇の違いと使い分け
まずは言葉の定義からまいりましょう。「わき」と言っても「ワキ」「腋」「脇」とさまざまな表現方法があります。
そうですね。
言葉の定義を辞書で確認してみましょう。
「脇」と「腋」
- 脇
-
《脇》は、”体”を表す部首「月(にくづき)」の漢字。音読みの熟語には例がないが、”胴体のうち、腰から上の左右の側面”を指す。
- 腋
-
《腋》は、やはり”体”を表す部首「月」の漢字で、”腕の付け根のすぐ下の部分”を指す。
『漢字の使い分けときあかし辞典』(研究社)
わかりやすく図にするとこのような感じでしょう。
「脇」は”体の広範囲な側面”のことで、「腋」は”わきのつけ根”という理解でよろしいでしょうか?
はい。ここで問題が生じます。ワキフェチの人は「体側フェチ」ではないということですね。
ワキフェチの人が対象にしているのは「脇(side)」ではなく、「腋・腋窩(armpit)」のほうでしょう。
※腋窩(エキカ:わきの下のくぼみ)
たしかにそうですね。
そこで「脇」のなかでも「腋・腋窩」部分にフォーカスしたのが「ワキ」という言葉になります。
※社会通念的な定義ではなく日本ワキフェチ協会の定義
なるほど。ワキは「脇のなかで腋(腋窩)部分のフォーカスした部位」ということなんですね。
「脇」は言葉の対象範囲が広すぎると思います。たとえば「脇フェチ」と表すると「体側フェチ」と混同するリスクもあります。
そうなると「腋」がいいのかとなります。しかしながら、腋は一般的な表現ではありません。さきほど引用した辞書にも以下のように指摘されています。
なお、現在では《腋》はあまり用いられない漢字。振りがなを付けるなどの配慮をしておく方が、親切である。
『漢字の使い分けときあかし辞典』(研究社)
また、脇と腋を厳密に区別するのは不可能でしょう。脇と腋はグラデーションで移行していきますから。そういう揺らぎも「ワキ」では取り扱えるようになります。
フェチ(嗜好)とフェティシズム(疾患)
ワキフェチの「フェチ」の部分についてお聞かせください。
そもそも「フェチ」とは「フェティシズム」の略称ですね。
フェティシズムとは
フェティシズムとは,性的興奮をもたらす手段として無生物の物体(フェティッシュ)を好むものである。しかしながら,通俗的には,この用語は性的ロールプレイ,特定の身体的特徴に対する嗜好,および性行為または対象物の嗜好など,特定の性的関心について述べるために用いられることが多い。
精神医学的に「フェティシズム」とは「パラフィリア」の一種であるとされています。
パラフィリアとは
パラフィリア障害とは,性的興奮をもたらす反復的な強い空想,衝動,または行動によって苦痛または日常生活への支障を来している状態のうち,その対象が無生物,小児,または同意のない成人であるか,自身または相手に苦痛または屈辱を与え,害を引き起こす可能性のあるものである。
つまり、フェティシズムとは疾患(病気)であるということでしょうか?
そういう側面もありますね。日常生活に支障をきたさないようなレベルのフェティシズムであれば嗜好レベル(フェチ)になるでしょう。
なるほど。
ワキフェチが生まれる3つの要因
つぎはワキフェチが生まれる要因について考えていきましょう。
それは興味深いですね。
ワキフェチの発生要因には3つの要素があると考えています。
ワキフェチの発生要因
- 生理(進化)学的要素
- 偶発(運)的要素
- 社会(羞恥・侵犯)的要素
なんだか難しそうですね。
ひとつずつ解説していきましょう。
1.生理(進化)学的要素
ワキには人を惹きつける生理的な効果があります。それらは研究論文としても報告されています。一部ご紹介しましょう。
ワキの生理学的な研究
- 男性のワキのにおいの成分であるアンドロスタジエノン(Androstadienone)を女性に嗅がせると、唾液中のコルチゾール濃度(ストレスが生じたときに分泌される)が上昇する。※論文ではストレスによるものではなく、気分の変動によりコルチゾールが上昇したと解釈。
Wyart, Claire, et al. “Smelling a single component of male sweat alters levels of cortisol in women.” Journal of Neuroscience 27.6 (2007): 1261-1265. - 女性のワキと外陰部のにおいを男性に嗅がせると、排卵期のにおいは唾液中のテストステロン(男性ホルモン)濃度を上昇させたが、黄体期(排卵後)のにおいは濃度を減少させた。また排卵期のにおいを嗅いだ男性は性的欲求(エッチしたい気持ち)が高まった。※ワキの体臭(分泌物)に性フェロモン的な効果があることが示唆される。
Cerda-Molina, Ana Lilia, et al. “Changes in men’s salivary testosterone and cortisol levels, and in sexual desire after smelling female axillary and vulvar scents.” Frontiers in endocrinology 4 (2013): 159.
ワキには他人を惹きつけるフェロモンのような働きがあるんですね。
そういうことです。男性がワキに惹きつけられる、ワキフェチになるのはおかしなことではなく必然なのです。
こういう生理的な働きは進化の過程で獲得してきたものでもあるので、進化学的要素でもあるわけですね。
2.偶発(運)的要素
つぎは偶発(運)的要素について解説していきます。
そもそも、なぜフェチが発生するのかについては学問的にこれという明確な答えは出ておりません。しかし、偶発的な要素が関係しているのではないかと考えられております。
偶発的な要素?
フェチには「臨界期(critical period)」があると言われております。
この時期にフェチが生まれなければ、歳を重ねてもフェチが生まれることはないと言われおります。
臨界期は何歳くらいの時期なんでしょうか?
10代から20代前半くらいだといわれております。この間にフェチが生まれなければその後にフェチになる可能性は限りなく低いでしょう。
そうなんですね。フェチが生まれるきっかけはなにかあるのでしょうか?
倫理的な問題もあり実験も不可能なため研究はありませんが、「射精」はひとつのきっかけとなる可能性があることが示唆されています。
それを裏づける「フォミコフィリア(昆虫フェチ)」になった青年の症例報告があります。
Dewaraja, Ratnin, and John Money. “Transcultural sexology: Formicophilia, a newly named paraphilia in a young Buddhist male.” Journal of Sex & Marital Therapy 12.2 (1986): 139-145.
すこし長いですが、この論文の内容を成書から引用して紹介します。
その男性は、チャミンダという仏教徒の青年で、スリランカのかつての首都コロンボの郊外に住んでいた。(中略)子どものころのチャミンダは、庭で茶色いアリをたくさん捕まえては、自分の部屋の戸棚にしまいこんだ。その戸棚でアリを飼っていたのだ。彼はそれを「小さな動物園」と呼んだ。彼のお気に入りの遊びは、床に裸で寝ころがり、自分の足にアリたちを這わせることだった。チクチクする感じが、彼には快感だったのだ。
チャミンダは14歳のときに、部屋のドアに鍵をかけ、小さな動物園で遊びながら、新しいひとり遊ぶにトライした。つまり、世界中の少年たちにおなじみの行為、マスターベーションをしたのだ。(中略)彼が射精すると、アリたちは彼の太ももと睾丸をくすぐった。その瞬間に、彼の生涯にわたる性的嗜好が形成された。彼はその後10年にわたって、週に数回、いろいろな昆虫を裸の体に這わせながら、激しい行為を繰り返した。1時間で4~5回の行為におよぶこともあった。
性科学者たちは、彼の激しいエロチックな感情を「フォミコフィリア(昆虫性愛)」と判断した。フォミコフィリアというのは、這いずり回るものへの性愛のことだ。
『性欲の科学』(阪急コミュニケーションズ)P97-98
アリと射精(オナニー)がきっかけとなってフェチが生まれたということですね。
そうです。このように偶発的なきっかけでフェチが生まれることがあるのです。もはやこれは運であり、神のみぞ知るきっかけでしょう。
3.社会(羞恥・侵犯)的要素
最後は社会的要素ですが、これはどのようなものでしょうか?
哲学者のバタイユは「タブーの侵犯がエロティシズムの本質である」と言いましたが、ワタシとしては「羞恥性の侵犯がワキフェチの本質である」と言えるのではないかと。
難しいですね。
まず羞恥性について解説していきましょう。
1.ワキの羞恥性
羞恥性などと小難しい言葉を使っておりますが、つまりは「ワキを見られるのはチョー恥ずい」ということです。
わかりやすいですね笑
AV女優さんでもワキ自体や行動(プレイ)が恥ずかしいという人は多いです。たとえば七沢みあさんや三葉ちはるさんは作品のなかで「恥ずかしい」と言っております。
たしかに恥ずかしがってますね。
「ワキの羞恥性」ですね。ワキは恥ずかしい部位なんです。
2.ワキの羞恥性とタブー
ワキは恥ずかしい部位ゆえに触れてはならない部位になる場合もあります。触れてはならない=タブーということになりますね。
ワキはタブー(触れてはならないモノ)であると?
そうです。実際、企業のアンケート調査などによるとワキを見せたくない女性は非常に多いのです。
ネットでざっと見たところ7-8割の女性がワキを見られることに抵抗感をもっており、黒ずみや毛穴など見た目が気になる人が多いようです。
いったんまとめてみましょう。
ワキの羞恥性とタブー
- 女性はワキを見られることが恥ずかしい(羞恥性がある)
- 女性にとってワキは恥ずかしく見せるものではないため触れてはならない(タブー)
3.ワキのタブーと侵犯性
ワキにタブーがあるからこそ侵犯する(無理やり犯す)ときに男性は性的興奮をするわけです。
女性が羞恥性をもっているワキを侵犯するから背徳心が生まれ萌えるのだと。もっと簡単にいえば、「やっちゃいけないことをやるからエロい」ということですね笑
なるほど。それがフェチにつながる可能性があるわけですね。
そういうことです。そして、これは社会的背景に大きく左右されます。
「ワキを見せることが恥ずかしくない、ワキを見せるのは当たり前でしょ」というのが当然の社会になれば、タブーの侵犯という興奮要素は減ってしまう可能性が高いです。
ワキを恥ずかしがるという傾向があるというのが重要なんですね。
そういうわけです。
ワキのタブーと侵犯
- 女性はワキを見られることが恥ずかしい(羞恥性がある)
- 女性にとってワキは恥ずかしく見せるものではないため触れてはならない(タブー)
- タブーを侵犯するゆえに背徳心が生まれ性的興奮につながる
まとめ
今日はワキフェチに関して講義していただきありがとうございました。
まだまだワキフェチに関しては不明なことが多いので、これからの研究に期待したいですね。
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